ブラッシングが好きではない抹茶だが、手グシは朝一番から要求。
これが私の一日の始まり。やけに毛が抜けると思っていたのだが、
「生えかわり。」とニャ王に言われ、窓から見えるツバメ達とプランターに花一輪、
季節が変わったことを教えられる。
かつて、ニャ王は捨て猫を連れ帰り、『長靴』と命名。
家の裏山を駆け回り、日に日に元気を増していく。
ある朝、登校しようと家を出たが、少し先にあるものが目に入る。
直ぐに『長靴』だとわかり駆け寄った。
道を飛び出し、車に跳ねられたのだろう。ニャ王は悔やんだ。
『長靴』を連れ帰り、裏山にお墓をつくった。
暖かい季節になり、不思議な現象がおこる。
『長靴』のお墓から、真っ赤な見覚えのない花が咲く。
あまりの美しさに、ニャ王の祖母も感動した。
が、ニャ王家のジェイソン(祖父)は、そんな珍しい花ですら、刈り取ってしまった。
懐かしい音楽同様、四季折々、思い出というものがある。
そこには必ず、猫の姿がある。
猫しか愛せない男、ニャ王なのであった。