昨日、私とニャ王は、抹茶を居間に残し、ベランダにいたのである。
不思議なことに、テーブルの前できれいな姿勢でテレビを見ている抹茶が、
二人を見てはテレビを見、また二人を見るのである。
「あーーー!!三沢選手のこと、今やってるよーーー!!」
ニャ王は、大の格闘技好きなのである。
二人で朝の情報番組を見ながら、しんみりしていたのであるが、
「まちゃおー!父ちゃんにテレビのこと教えてくれたのかー!!ありがとなー!!」
ニャ王がヨシヨシをしようとしたときには、既に抹茶は手の内にはいないのである。
“♪♪♪♪〜♪♪♪♪〜”
ガサガサ・・・
「ごめん。抹茶ー。痛かったろぉ。」
目覚ましを止めようと、抹茶の頭をついてしまったのである。
コーヒーを落とし、ニャ王を起こすまでの一時間、抹茶と二人の朝の時間である。
が、しかし!!!
ガシガシガシガシ!キック!キック!ガシガシ!
(このやろ!このやろ!よくも、僕の頭を“ガツン”したな!)
朝からマジ咬みである。
「抹茶はマジ咬みせんもんね。」
「それは、あなただからですよ〜。」何日か前の会話である。
まさか、根に持っているとは・・・
男のくせに、肝のちっちゃい・・・と思うのは、私だけであろうか。
今日は既に、不貞寝しているのである。