ある日の午後、「そういえば、神社の猫ちゃんに名前つけてなかった!」ニャ王から電話。私の頭の中を、一匹の猫ちゃんが横切る。
夜中に神社のそばに穴を(ニャ王が)手堀りし、お墓を作った子だ。私の中での珍事件!?でもあったが、暗がりでほんの少し一緒だった子である。
「トラにする!」
「トラちゃんやろ(笑)」
ほぼ同時に名前が決定。
ある日買い物の前に、トラ神社!?に立ち寄る。寂しげで、人の手も入っていない、忘れられてるような場所である。
確か、手堀りした時は夜中で、はっきり見えてはなかったが、大きな石がゴロゴロ、スコップも曲がり、竹藪でもなかったが…
新たな命が生まれていたのだ。
トラちゃんのお墓から、立派な、見事な竹が伸びていたのだ。空に向かって、力強く。
それは私には、小さい頃見たお話、『かぐやひめ』の竹を、実際に見たかのような感覚である。
夜中の道端に倒れていた小さい命は、決して弱く小さい存在ではない。『トラ』は強くたくましい。
私達に家を決め、抹茶との出逢いを導いてくれた。そう思うのである。
『トラ神社』を通る度、「ありがとう。」が挨拶である。忘れずにいること、声を掛けるしか出来てないが、感謝の気持ちは、忘れないでいたいと思うのである。