にゃーちゃんは男の子にしてはしゃべる方だったと思う。
トラ子は女の子にしたってしゃべりすぎる方だと思う。
にゃーちゃんは確かに「ニャー…」と鳴いていたのだが、全てに通訳不要だった。
暑いだの、寒いだの、客が来るだの、今日の刺身はどこどこの店に入ったシイラがいいだの言った。
トラ子も確かに「ニャーニャー」いうのだが、それはそのままニャーニャーとしか聞こえない。
いや、猫なんだからそれでいいんだけど。
にゃーちゃんでは、猫語が通じないもどかしさなんかとは無縁だったから、毎日毎日ニャーニャーニャーニャーニャーニャーニャーニャー言ってるトラ子の訴えがなんなのかイマイチ理解しきれないのがもどかしくもあり、これが普通という安心感のような楽しさもあり……。
しかし本当に四六時中ニャーニャーニャーニャー言ってるにゃあにゃあを見てると、私はついマラソンランナーの松野明美さんを連想する。
彼女はあのしゃべるパワーで42キロを走るのだと、以前何かで言っておられた。
トラ子の42キロはなんだろう。
運動会しない分、喋ってエネルギー使ってるのか……(^_^;)